2023/10/25 07:00


2018年にNECの研究所がオープンイノベーションのイベントを開催、靴の中に内蔵できるコンパクトなセンサーで歩容を計測できる技術から事業化のアイデアを練り始めました。

歩行と健康の密接なつながりに着目し、

①利用者の手間や負担がない

②専用設備や映像撮影などの計測ハードルがない

③歩数だけではなく歩き方の質まで可視化できる

従来にはない新しい予防デジタルサービスの提供を目指しました。

開発に当たっては、ユーザー受容性の確認や品質レベルを見極めるため、NECとして初めてのクラウドファンディングを用いた製品化を行い、2020年8月に一般消費者向けのサービスを開始しました。

さらに医療機関等からの引き合いを基に、2021年からは研究機関向けに従来は計測が困難であった施設外での日常歩容計測ツールとしての提供も開始しています。

プロダクトの核となる歩行分析センサは、歩行時の足の動きを正確に計測します。これにより、歩幅や歩行速度といった基本的なデータだけでなく、足の高さ、角度、1歩にかかる時間などより詳細な歩行状態をデータ化することを可能にしました。

また利用に際して充電や電池交換といった手間や負担を減らすため、歩行中のみデータを収集するように設計され、静止状態や他の動作の誤検知を防ぐことで、1年間以上使用できる性能を実現しています。

歩行分析アプリは歩行分析センサで収集された歩容データを利用者に提供し、個別のフィードバックを提供するアプリケーションです。アプリの初期設定では、利用者が自身の情報(性別、身長など)を入力することで、その情報に基づいた歩容の評価を行うことができます。

このアプリでは、歩容改善のためのアドバイスやトレーニング、ストレッチ動画などのコンテンツが利用可能です。さらに、ユーザーの行動パターンに合わせて、最も効果的なコンテンツを提供し、ユーザーエンゲージメントを高めるように工夫されています。

このアプリを通じて、個別の歩容データを活用して、歩行の質を向上させるための具体的なアクションを実行できるようになります。